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海の香り(フランス徒然日記vol.4)

こんにちは。

お料理教室Table Bourgeons...の和実です。

9月に入り、新学期スタートの今週。お子様がいらっしゃる家庭では、ようやく生活のリズムが整うタイミングではないでしょうか??


インスタやブログでは現在もフランスのお話をしておりますが、実は8月末に帰国しており、まさに今日から新学年のスタートを切った我が子達。それに合わせて今まで時差ボケを言い訳に夜更かし三昧だった私も、否応なくリズムを整えないといけないタイミングがやってきたというところ。


なので今日は日本にいながら、フランス徒然日記をお届けいたしますね。


今年はなんと5週間もの滞在だったにもかかわらず、ほぼほぼをロワールの田舎で過ごした今回の帰省。(私は女子旅の息抜きがありましたけれど、、)というのも、昨年の帰省であちこち遠征したのが主人には遠距離移動で負担だったらしく、今年はゆっくりしたいとの意向を尊重し、、、そんな中、唯一決まっていた移動が、義妹のいるブルターニュへ遊びに行くことでした。


今日のブログではブルターニュの記憶をたどってみたいと思います。




子供たちが大きくなるにつれ、それぞれのアクティビティが忙しくなるのはフランスも同じで、4人も子供がいる義妹家族は、夏休み中は合宿やキャンプなどに大忙しで、いつも誰かが欠けているような日々だったそう。いつもならロワールの田舎でも家族全員集合しますが、今年はそれが叶わなかったため、子供達にとっては唯一の従妹同士の触れ合いとなったのも、ここブルターニュでした。


ブルターニュでは彼らのセカンドハウスに居候した一週間。だからこれまた、ホテルに泊まるような旅行ではなく、そこには日々の生活もあり、炊事洗濯をしながらの毎日。それに景色変われど、生活リズムはあくまでのんびり過ごすバカンスは、フランス人のお得意とすることろ。日中は家でだらだら過ごし、ランチ後ようやくしてビーチへ移動。日が長いので、確かに夕方でも十分に遊べるのですが、その後のディナーや就寝もおのずと遅くなるのは玉に瑕。さて、ビーチでの過ごし方はというと、ブルターニュの海は冷たいので子供達も泳ぐよりも磯遊びや砂遊びに時間を費やし、それを横目に私は本を読むというのがほぼ毎日の日課。


ビーチで寝っ転がるだけも退屈なので、ある時は海岸沿いをウォーキングしたりもしました。ここブルターニュでは、端から端まで延々と海岸沿いにトレッキングの道が整備されています。2000㎞以上にもなるこの長距離トレッキングルート(GR34)は「Sentier des douaniers」という、訳すと税関史の道という意味の別名を持ち合わせています。



その昔この崖上の道から海を監視し、密貿易する船がいないか見張っていたのだそうです。海岸に沿っての一本道なので迷うこともないですし、壁上からの海の眺めもまた格別。それにビーチからビーチまでを繋ぐルートなわけですから、途中浜辺でゆっくり休憩なんてことも。もし、ブルターニュに行くけれど冷たい海は苦手、または海水浴シーズン以外での来訪の場合は、このトレッキングルートを思い出してみてね!



さてさて、ブルターニュといえばやっぱり海の幸。食いしん坊の私を気遣って、毎回滞在中一回はシーフードディナーを計画してくれる気が利く義妹!海の幸を食べる日は、とにかくひたすら海の幸だけを食べるのがこちらのスタイル。だから食材さえ購入すれば準備も楽なので、大人数が集まる食事会にはもってこいのメニュー。今年は家族一グルメな義兄が魚屋であれこれ調達したもんだから、手長エビ、生ガキ2種、バイ貝、小エビ、イワシ、araignée (アレニエ/蜘蛛 )と呼ばれる蟹、tourteau (トゥルトー)と呼ばれるヨーロッパイチョウ蟹、アサリ、となんとも盛沢山な品揃え!



基本的に牡蠣以外の甲殻類はお店ですでに茹でられていて、自家製マヨネーズ(魚屋提供)と一緒にいただきます。イワシは手開き後、塩&オリーブオイルでシンプルにオーブン焼きに。アサリは生でも食べられるという話だったもののちょっと怖かったので、ワイン蒸しにしたのち、ペルシヤード(ニンニク&パセリ)を絡めて。カニは日本のそれと見た目が全然違います。つるっとしている殻のほうがトゥルトー、イガイガしているほうがアレニエ。味も身も全く違い、前者はとにかく殻が分厚く固いので、爪や足部分はハンマーで叩き割る必要がありますが、身離れは良く、身もしまっています。味は濃厚とも大味ともいえるほどにしっかりした味。それに対して、後者のアレニエはとげとげしい風格とは裏腹に、お味はとってもお上品で繊細。名の由来通り「蜘蛛」のように細長い足は、身を掻き出す手間を要しますが美味。食べ比べ最高でした。どちらも美味しくて好きですが、この日はアレニエが好みだったなー。写真を見返しながら、こうして日記を綴っていると、不思議と海の香りがよぎるから不思議。もう一度食べているような感覚とでもいうのでしょうか。みんなのところにもそんな香りが届いていたらいいなと願いつつ。


ほかに特筆すべき食材としてはアーティチョーク。知らなかったのですがブルターニュが産地だそうで、マルシェでもたくさん見かけました。日本ではなかなか入手できない野菜なので、食べたことがない方も多いのではないでしょうか?



 一般的に家庭で食べるときは、丸ごと茹でたものをそのままお皿にドーンとサーブし、ヴィネグレット(ドレッシング)を付けながらいただきます。ガク(花びら部分)を一枚一枚はぎながら、付け根部分の柔らかいところをしゃぶるようにして食べるのです。ガクを全部はいだあとは、ふわふわした毛が密集している花芯部分を取り除き、残る中心部分も食べます。


と書いておきながら、実は私自身はこの食べ方をしたことがありません。。。。私がアーティチョークに初めて触れたのはフランスでレストラン勤めをしていた頃。レストランではきれいに下ごしらえして提供するのが普通なものですから、それが私のベースとなり下処理するのが当たり前に思ってしまっています。



でもこの下処理が結構大変!生の固い状態でガクをはがさないといけないので包丁を駆使し取り除き、花芯部分のふわふわの毛をスプーンでこそぎ取り、花芯部分のみにします。ぐずぐずしていると酸化して黒く変色してしまうという注意点もあるので、必ずレモン水に浸しながら作業をし、保存しておきます。大きな塊だった元の姿からは想像もつかないほど小さい可食部分なので、費やす下処理時間が悔しくも感じますが、食べたらその美味しさに努力は報われるもの。



調理はオリーブオイルで軽く炒めた後、白ワインを加えて蒸し煮にするというギリシャスタイルが私のお気に入り。薄くスライスしたら生食も可能ですが、私は加熱したときのホクっとした食感が好きです。味の例えが難しいのですが、ゆり根に似ているというのが一般的に言われる例え。いつかレッスンでもご紹介したいものです。


とある日は、避暑地としてにぎわう街Saint-Castへ。雨降りで有名なブルターニュですが、今回滞在中にも1日中雨の日があり、昨年発見したビーチカフェでブルターニュ名物のクレープを食べるという名目で出かけ。オシャレな空間で美味しいクレープと、目の前に広がるビーチのおかげで、曇り空でも気分は晴れやか。



観光街なだけあって可愛いお店もちょこちょこあるのがこの地の魅力のひとつ。海辺ならではなマリンルックアイテムをちゃっかりゲットしてご満悦の雨の日となりました。


余談ですが、今やすっかり定着しているフレンチカジュアルアイテムのボーダーのボートネックシャツ。日本でも色んな有名ブランドが知られていますが、ブルターニュといえばArmor Lux。他の老舗ボーダーシャツメーカーも大抵は海地方で創業されています。それもそのはず、ボーダーシャツは昔から漁師の愛用服として、またナポレオン時代からは海軍の制服として、いつの時代も海と結びつきの強いシャツだったから。定番となった今だからこそ、そのルーツや歴史背景を心得ておくのも粋でしょう?



最後になりましたが、昨年に続き今年も日本では買えないフランスの調味料などを仕入れてまいりました。ブルターニュでは塩キャラメルソース、そしてオーガニックマルシェでイネスのはちみつを入手。


近日改めてメルマガ配信にてフランス仕入れ品販売会を行いますので、お楽しみに!メルマガは配信登録者限定送信となります。ご希望の方は是非この機会に配信登録(無料)してくださいね!


今日も最後までお読みくださり、有難うございました。




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